厚労省、「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」を公表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 石 原 坦
弁護士 谷川原 淑 恵
1 はじめに
厚生労働省厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(以下「医薬品医療機器制度部会」という。)は、2025年1月10日、「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」(以下「本とりまとめ」という。)を公表した[1]。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(以下 「薬機法」という。)の前回改正(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号))(以下「令和元年改正法」という。)において、施行後5年を目途として制度の見直しを検討することが附則で定められたことから、2024年4月以降、医薬品医療機器制度部会において、次期薬機法改正に向けた、以下の4項目に関する議論がなされてきた。
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本とりまとめは、医薬品医療機器制度部会での議論の内容のうち、法改正等による制度改正が必要と考えられる事項を中心に取りまとめられたものである。
本稿では、本とりまとめの内容のうち、特に「医薬品等の品質確保及び安全対策の強化」および「品質の確保された医療用医薬品等の供給」の項目ならびに「薬局機能・薬剤師業務のあり方の見直し及び医薬品の適正使用の推進」の項目における医薬品販売方法に関する内容について、現状の問題意識および制度改正の具体的な方向性を紹介する。
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(いしはら・ひろし)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。1997年東京大学経済学部卒業、2000年弁護士登録、2004年慶應義塾大学法学部卒業、2005年米国コロンビア大学ロースクール修了(LL.M.)、2006年カリフォルニア州弁護士登録、2007年ニューヨーク州弁護士登録。また、日本銀行及び総合商社への出向経験を有する。主要な業務分野は、国内及びクロスボーダーのM&A、ヘルスケア・薬事規制。「医薬・ヘルスケアの法務 - 規制・知財・コーポレートのナビゲーション」(商事法務)、「実務で役立つ 世界各国の英文契約ガイドブック」(商事法務)等の著書多数。
(たにがわら・よしえ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2009年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2011年早稲田大学大学院法務研究科修了。2012年弁護士登録(東京弁護士会)。2020年米国University of Pennsylvania Carey Law School (LL.M.) 修了。2021年米国ニューヨーク州弁護士登録。グローバル製薬会社での企業内弁護士経験を有し、ライフサイエンス・ヘルスケア分野の法務を専門として、製薬や医療機器に関する国内及びクロスボーダー取引(M&A、知財ライセンス、業務提携・アライアンス等)、薬機法等の各種規制対応、不正調査、訴訟・紛争解決を取り扱う。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
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