経産省、クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針 2025年版(案)を策定
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 宮 川 賢 司
弁護士 香 川 遼太郎
弁護士 新 庄 絢
1 はじめに
⑴ トランジション・ファイナンスの必要性
世界規模で「脱炭素社会」の実現が目指されている中、わが国は「2050年カーボンニュートラル」の達成に向けて、政府レベルおよび民間レベルのいずれにおいてもさまざまな取組みを推進している。特に、多くの温室効果ガス(以下「GHG」という。)を排出する産業分野では長期的な取組みを要するところ、将来的な脱炭素化を目指し、長期的な戦略に基づいてGHG削減に取り組む企業に対し、資金を供給して後押しする金融手法は「トランジション・ファイナンス」と呼ばれ、具体的な制度整備が進められている。
出典:「トランジション・ファイナンス」(経済産業省、2025年2月7日最終閲覧)[1]
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(みやがわ けんじ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LL.M.)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。
(かがわ・りょうたろう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。
(しんじょう・あや)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年慶應義塾大学法学部卒業。2022年東京大学法科大学院修了。2023年弁護士登録(第二東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
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