能動的サイバー防御関連法案の閣議決定
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 中 崎 尚
弁護士 鈴 木 潤
弁護士 石 川 雅 人
1 はじめに
2025年2月7日、いわゆる能動的サイバー防御の導入等を定めた、重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案[1](サイバー対処能力強化法案。以下「新法」という。)および重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案[2](サイバー対処能力強化法整備法案。以下「整備法」という。)が閣議決定された。
本稿では、新法および整備法案の内容のうち事業者において注目すべきポイント等について説明する。
この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください
(なかざき・たかし)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、国内外のインターネット・IT・システム関連を中心に、個人情報保護・プライバシー(ヘルスケア・遺伝子を含む)、サイバーセキュリティ、AI・メタバース・宇宙衛星をはじめとする先端分野、経済安全保障、電波法・電気用品安全法ほか技術分野、EUサイバーレジリエンス規制ほか海外コンプラインアンス対応、クロスボーダー取引、知的財産案件(著作権・商標・ライセンス・共同開発)、ベンチャー支援を幅広く取り扱うほか、AI事業者ガイドラインWGほか経済産業省・総務省・内閣府ほか政府の有識者委員を多数歴任するとともに、個人情報保護委員会の各種調査を受託しております。インターネット関連では、SNS・クラウド・メタバース・オンラインゲームほかの各種サービス立ち上げ・海外進出支援、ドメイン紛争、セキュリティを中心に、個人情報保護法、資金決済法、プロバイダ責任制限法、電気通信事業法ほか各種業法規制への対応、IT・システムでは、システム開発、セキュリティ、オープンソースを含むプログラム紛争を中心にサポートしております。
日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、内閣府メタバース官民連携会議委員、AI事業者ガイドラインWG 委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。
「生成AI法務・ガバナンス 未来を形作る規範」「Q&Aで学ぶメタバース・XRビジネスのリスクと対応策」「Q&Aで学ぶGDPRのリスクと対応策」(いずれも商事法務)ほか講演・執筆多数。
(すずき・じゅん)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル。2004年慶應義塾大学法学部卒業。2006年立命館大学法科大学院卒業。2009年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2015年米国ジョージ・ワシントン大学ロースクール(LL.M.)修了。2017年ニューヨーク州弁護士登録。2024年7月まで2年間、外務省総合外交政策局経済安全保障政策室において、経済安全保障推進法、外為法、重要土地等調査法、重要経済安保情報保護活用法等の設計や運用にかかる体制整備等を担当。それ以前は、日系事業会社の本社及び米国グループ会社の法務部において経済安全保障部門の立ち上げに関与した他、グループ全体の経済安全保障に関するコンプライアンス体制の整備、投資案件等の個別案件を担当。
(いしかわ・まさと)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2010年東京大学法学部卒業。2010年警察庁入庁(~2021年)。2017年京都府警察本部警備部外事課長。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。危機管理・不正調査、経済安全保障等を取り扱う。主な著書・論文:「SH4956 経済安保情報保護法および改正経済安全保障推進法の成立」(商事法務ポータル、2024)、「重要経済安保情報保護活用諮問会議の開催」(商事法務ポータル、2024)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用