ベトナム:学校への投資の機会拡大(下)
――教育分野における外国投資・協力に関する規制の改正――
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 澤 山 啓 伍
3 外国投資・協力の教育の品質の向上
政令124号は、上記のとおり、教育における外国投資・協力の範囲を拡大しようとしているが、それと共に、外国投資・協力を得て行う教育の品質の向上も目指し、協力を行う外国側の主体及びその教育プログラムの内容に関する条件を以下のように追加している。
- ① 教育連携(ベトナムの幼児教育機関及び初等・中等教育機関と外国の教育機関等との教育プログラムでの連携)を実施するための外国側の当事者については、ベトナム教育機関と教育連携を行うまでに、母国で少なくとも5年間適法に運営されていることが必要である。
- ② 高等教育連携(前記脚注1参照)の外国側の主体については、信頼性及び品質が高い外国高等教育機関でなければならず、当該外国高等教育機関及びベトナムで実施する研修プログラムは、研修を提供し、その卒業証書を発行することが母国の管轄機関により承認されているか、有効な教育の質についての認定証を有することが必要である。
- ③ ベトナムに設置された外資教育機関については、当該施設で外国教育プログラムを実施する場合には、そのプログラムは適切な外国の教育管轄機関又は組織により認証され又は品質が認定されたものであり、かつ少なくとも5年間母国で直接教えられていたものであることが必要である。また、そのプログラムがベトナム人の学生を対象とする場合、その教育目標がベトナムの教育目標と一致しなければならない。
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(さわやま・けいご)
2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。
現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。
長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/
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