SH3668 改訂コーポレートガバナンス・コードについて 中野常道(2021/06/29)

組織法務経営・コーポレートガバナンス

改訂コーポレートガバナンス・コードについて

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士 中 野 常 道

 

1 はじめに

 2021年6月11日、東京証券取引所より、コーポレートガバナンス・コードの改訂版が公表され、同日より施行された(以下本稿では改訂されたコーポレートガバナンス・コードを指して「改訂CGコード」という。)。今般の改訂も、「取締役会の機能発揮」、「企業の中核人材の多様性の確保」、「サステナビリティを巡る課題への取組み」といった事項を中心に上場会社の実務に影響する重要な内容が含まれているため、本稿においては、以下のとおりその概要を紹介する。

 

2 改訂の経緯

 2015年に策定されたコーポレートガバナンス・コードが改訂されたのは、2018年に続き今回で2度目である。2018年の改訂と同様、今般の改訂においても金融庁および東京証券取引所が共同事務局を務める「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下「フォローアップ会議」という。)における議論が改訂内容に反映されている。また、今般の改訂は、以下でも触れるとおり2022年4月に適用開始が予定されている東京証券取引所における新市場区分も見据えた内容となっている。

 改訂CGコードは、2021年4月6日にフォローアップ会議から改訂の原案が提示され[1]、同年4月7日から5月7日までのパブリック・コメント手続を経て公表・施行された。また、同様の手続を経て、機関投資家と企業の対話において重点的に議論することが期待される事項を取りまとめた「投資家と企業の対話ガイドライン」も改訂されている。

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(なかの・つねみち)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー。2007年一橋大学法学部卒業、2009年早稲田大学大学院法務研究科修了。2010年弁護士登録(第二東京)。2014年7月-2015年7月金融庁総務企画局企業開示課(名称は当時)に出向。2016年8月-2017年12月シンガポールオフィス勤務。2018年1月-2019年6月国内大手証券会社M&Aアドバイザリー部門出向。M&Aや一般的なコーポレート案件の他、金融庁出向時にコーポレートガバナンス・コードの策定に関与した経験からコーポレート・ガバナンスや投資家対応に係る業務も多く取り扱う。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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