SH3727 個人情報委、個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(外国にある第三者への提供編)&パブコメ結果 田浦一(2021/08/25)

取引法務個人情報保護法

個人情報委、個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン
(外国にある第三者への提供編)&パブコメ結果

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士 田 浦   一

 

1 はじめに

 2022年4月1日、令和2年改正個人情報保護法(以下「改正法」)の全面施行が予定されている。これに向けて、2021年8月2日、個人情報保護委員会(以下「委員会」)から、改正版の個人情報保護法ガイドライン(以下「改正ガイドライン」)および改正ガイドラインの案に対して実施されたパブリックコメントの結果が公表された。以下、改正ガイドラインのうち、特に外国にある第三者への提供編およびこれに関連するパブリックコメントの結果の内容を紹介する。

 

2 「改正ガイドライン」の概要

 ⑴ 主な改正点

 改正法では、外国にある第三者への個人データの提供の際に必要となる同意取得の際に、移転先国の名称、移転先国における個人情報保護に関する制度の有無等の一定の情報提供が義務付けられた(改正法第24条2項)。また、個人データの適正取扱いを担保するための体制が整備されているために本人の同意を得ることなく個人データを移転できる外国にある事業者への提供(体制整備要件に基づく越境移転)においては、第三者が講ずべき相当措置の継続的な実施を確保するために必要な措置(以下「必要な措置」)を講ずるとともに、本人の求めに応じて、当該必要な措置に関する情報の提供を行うことが義務付けられた(改正法第24条3項)。

 改正ガイドラインでは、同意取得時に提供する情報、体制整備要件に基づく越境移転時に移転元が講ずべき「必要な措置」について、事例を含め解釈が具体的に記載された。

 

 ⑵ 本人の同意に基づく越境移転において、同意取得時に提供すべき情報の考え方

(情報提供の方法)

 情報提供の方法の具体例として、以下の方法を挙げている。

  1. ✔ 必要な情報を電子メールにより本人に送付する方法
  2. ✔ 必要な情報を記載した書面を本人に直接交付する方法
  3. ✔ 必要な情報を本人に口頭で説明する方法
  4. ✔ 必要な情報をホームページに掲載し、本人に閲覧させる方法

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(たうら・はじめ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2008年北海道大学法学部卒業。2010年北海道大学法科大学院卒業。2011年弁護士登録(第一東京弁護士会所属)。2019年New York University School of Law(LLM)修了。2020年ニューヨーク州弁護士登録。データプライバシー法務の他、IT・インターネット関連の案件について広くアドバイスをしている。また、会社法・M&A関連の案件を多数取り扱う。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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