SH4095 近時の漏えい等事案に対する個人情報保護委員会の対応(3)マイナンバーガイドラインの概要――近時の改正を踏まえて 井上乾介/吉本郷(2022/08/09)

取引法務個人情報保護法

近時の漏えい等事案に対する個人情報保護委員会の対応(3)
マイナンバーガイドラインの概要
――近時の改正を踏まえて―― 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業

弁護士 井 上 乾 介

弁護士 吉 本   郷

 

1 はじめに

 個人情報保護委員会は、2022年7月15日、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(行政機関等・地方公共団体等編)の一部を改正する告示(案)」及び「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)の一部を改正する告示(案)」を公表し、これらのガイドラインの改正案についてパブリックコメントの募集を開始した[1]

 今般のガイドラインの改正は、令和3年の番号法[2]改正を踏まえたものであるが、本稿では、今般の改正の内容に限らず、ガイドラインおよびその内容理解の前提となる令和2年、令和3年改正後の番号法の内容を中心に紹介し、最後に、実務上の示唆を検討することとする。

 

2 マイナンバーガイドラインの概要

 個人情報保護委員会が公表している番号法に関連するガイドライン、Q&Aとしては、以下のものが存在する。

  1. ① 特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)(以下「マイナンバーガイドライン(事業者編)」という。)[3]
  2. ②(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(以下「金融業務ガイドライン」という。)[4]
  3. ③「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」 に関するQ&A(以下「マイナンバーガイドラインQ&A」という。)[5]

 これらのガイドライン、Q&Aは、番号法ならびにこれに関連する規則類および告示の内容をとりまとめた基礎的な資料である。以下、令和4年4月の改正点を含む内容を紹介する。

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(いのうえ・けんすけ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

 

(よしもと・ごう)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2017年慶應義塾大学法学部卒業。2018年東京大学法科大学院中退。2019年弁護士登録(第一東京)。主要な業務分野は、①M&A・一般企業法務、②インセンティブ報酬の導入・運用、③個人情報保護法、④人事労務・紛争解決など。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

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