◇SH0376◇銀行員30年、弁護士20年 第46回「時間管理の方法」 浜中善彦(2015/07/21)

法学教育そのほか未分類

銀行員30年、弁護士20年

第46回 時間管理の方法

弁護士 浜 中 善 彦

 

 時間を有効活用するためには、時間管理の方法を確立する必要がある。まず、時間管理のツールとして何を選ぶかが問題となる。私の受験時代と違って、現在は手帳だけではなく、PC、携帯、スマホなどもある。しかし、私の経験では、時間管理のツールとしては、やはり手帳が一番であると思う。その理由は以下のとおりである。

  1. ア. 計画レベルでは、一覧性があるということがきわめて重要である。計画は、あくまでも将来のことであるから、仕事の都合や友人との付き合いで絶えず変更の必要が出てくる。そのためには、最低でも1週間、できれば数ヶ月先までもスケジューリングできる必要があり、変更の都度、たえず、1週間ごとあるいは1ヶ月ごとに一覧できることが望ましい。
     一覧性という点では、手帳のほか、PCもスマホも優劣はない。しかし、持ち運びの便や、過去の記録をあとで見直す場合には、手帳の方が便利である。
  2. イ. 時間管理に慣れてみると、計画、記録とも、30分単位で行うのが合理的でもあり、便利でもある。そのためには、30分単位で時間目盛りがついていることが必要である。この点では、手帳に勝るものはない。
  3. ウ. 記録は、記録することに意味があるのではない。その記録を、将来の計画に生かせるものでなければ意味がない。将来の計画のために、過去の記録を見直すためのスケジュール管理のツールとしては手帳が一番である。

 

 時間管理のツールとして手帳を使う場合に問題となるのは、計画も記録も1冊の手帳ですべてまかなうか、記録の場合は、勉強とそれ以外の仕事等の記録も1冊の手帳で間に合わせるかという問題がある。1冊の手帳ですべてまかなう方が効率的なように思える。そのため、バインダー式の手帳を使って何年かやってみたが、手帳は用途別に使い分ける方が効率的でもあり、後で、記録見直しにも便利だとわかった。

  1. ア. スケジュール管理のための手帳は、常時身につけていつでも取り出せる必要があるので、上着のポケットに入る大きさであり、軽いことが条件となる。さらに、スケジュール管理の観点からは、時間目盛りがついていなくてはならない。スケジュールは、決まったとき、すぐ手帳に記入する。私は、先方を訪問する場合、たとえば10時に訪問する場合は10時のところに10/00と記入の上、訪問先名を記入し、必要な時間帯に赤のマーカーでマークしておく。逆に、事務所で面談の場合は、同じ要領で、青のマーカーでマークしておく。赤と青のマークのないところは、移動時間か自分の自由になる時間であることになる。そうすることで、手帳をみるたびに、1週間分のスケジュールが一目瞭然となる。1日に何回もこの手帳をみるので、1週間分のスケジュールをたえず確認する結果になり、仕事の段取りも付けやすくなる。時間目盛りとマーカーを活用することで、常時、予定が一目瞭然である。しかも、追加の予定が入った場合は空いたところへ入れればいいので、スケジュール管理はきわめて簡単である。
  2. イ. 記録のための手帳は、もっぱら、過去の記録のためであるから、常時持ち運びの必要はない。したがって、手帳の大きさは、用途によって決めればよい。私の場合、受験時代は、学習記録用と業務用の2冊を使い分けていた。いずれも、大きさはB6判である。業務用には、一時A5判も使ってみたが、B6判と使い勝手に差はないことが分かったので、小さくて軽いB6判に変えた。

以上

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