◇SH0537◇チリにおける主な法人形態 平松剛実(2016/02/01)

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チリにおける主な法人形態

西村あさひ法律事務所

弁護士 平 松 剛 実

1   はじめに

 チリにおいて設立することができる事業会社としては、①合同会社(Sociedad de Responsabilidad Limitada、「SRL」)、②株式会社(Sociedad Anónima、「SA」)、③簡易型株式会社(Sociedad por Acciones、「SpA」)、④ジェネラル・パートナーシップ(Sociedad Colectiva)、⑤リミテッド・パートナーシップ(Sociedad en Comandita)、⑥支店などが存在する。これらのうち、外国投資家がチリで事業を行うために一般的に用いる事業体は、SRL、SA及びSpAなので、それらの特徴について解説する。

2   チリのSRL、SA及びSpAの主な特徴

 チリのSRL、SAおよびSpAの主な特徴は以下のとおりである。

 

SRL

SA

SpA

最低資本金

なし

なし[1]

なし

持分権者の
責任

有限責任

有限責任

有限責任

持分・株式

  1. ・ 出資持分
  2. ・ 出資者は2名以上50名以下
  3. ・ 出資者は個人であるか法人であるかを問わず、また、チリ国籍を有することやチリ居住者であることを要しない
  4. ・ 持分の譲渡は、全出資者の同意による出資者間契約の変更によってのみ可
  1. ・ 株式
  2. ・ 株主は2名以上
  3. ・ 株主は個人であるか法人であるかを問わず、また、チリ国籍を有することやチリ居住者であることを要しない
  4. ・ 持株の譲渡は、定款に別段の定めがない限り、自由
  1. ・ 株式
  2. ・ 株主は1名以上
  3. ・ 株主は個人であるか法人であるかを問わず、また、チリ国籍を有することやチリ居住者であることを要しない
  4. ・ 持株の譲渡は、定款に別段の定めがない限り、自由

機関

 

  1. ・ 出資持分権者総会
  2. ・ 業務執行権限は、出資者間契約により自由に決定可能

    1.  例)
    2. ・ 1名又は複数の出資者
    3. ・ 1名以上の出資者ないし第三者により構成される取締役会
    4. ・ 出資者により選任される1名以上の執行役員
  1. ・ 株主総会
  2. ・ 会社の経営は、原則として、株主に選解任される3名以上の個人(外国人でも可)により構成される取締役会により行われる
  3. ・ 取締役会は、会社の最高責任者を務める執行役員を少なくとも1名選任しなければならず、その他取締役会が必要と判断する業務執行機関である執行役員を選任することができる
  1. ・ 株主総会
  2. ・ 業務執行権限は、定款により自由に決定可能

    1.  例)
    2. ・ 1名又は複数の株主
    3. ・ 第三者
    4. ・ その他、株主が適切と考える機関

 

 SpAは比較的最近導入された形態であるが、上記の通り、3種の事業体の中で、出資者(株主)1名のみで設立可能なのはSpAのみである。SpAは、SAと同様、出資持分譲渡の自由性が認められる株式会社でありながら、会社の業務執行についてSRLと同様の柔軟性が認められていることもあって、その導入以降は、外国会社がチリに子会社を設立する場合の事業体としてはSpAが採用されることが多いと言われている。

以 上


[1] 但し、銀行、金融機関、証券会社等の特殊な業務に従事するものについては例外がある。

 

(注)本稿は法的助言を目的とするものではなく、個別の案件については当該案件の個別の状況に応じ、日本法又は現地法弁護士の適切な助言を求めて頂く必要があります。また、本稿に記載の見解は執筆者の個人的見解であり、西村あさひ法律事務所又はそのクライアントの見解ではありません。

 

 
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