チリにおける主な法人形態
西村あさひ法律事務所
弁護士 平 松 剛 実
1 はじめに
チリにおいて設立することができる事業会社としては、①合同会社(Sociedad de Responsabilidad Limitada、「SRL」)、②株式会社(Sociedad Anónima、「SA」)、③簡易型株式会社(Sociedad por Acciones、「SpA」)、④ジェネラル・パートナーシップ(Sociedad Colectiva)、⑤リミテッド・パートナーシップ(Sociedad en Comandita)、⑥支店などが存在する。これらのうち、外国投資家がチリで事業を行うために一般的に用いる事業体は、SRL、SA及びSpAなので、それらの特徴について解説する。
2 チリのSRL、SA及びSpAの主な特徴
チリのSRL、SAおよびSpAの主な特徴は以下のとおりである。
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SRL |
SA |
SpA |
最低資本金 |
なし |
なし[1] |
なし |
持分権者の |
有限責任 |
有限責任 |
有限責任 |
持分・株式 |
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機関 |
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SpAは比較的最近導入された形態であるが、上記の通り、3種の事業体の中で、出資者(株主)1名のみで設立可能なのはSpAのみである。SpAは、SAと同様、出資持分譲渡の自由性が認められる株式会社でありながら、会社の業務執行についてSRLと同様の柔軟性が認められていることもあって、その導入以降は、外国会社がチリに子会社を設立する場合の事業体としてはSpAが採用されることが多いと言われている。
以 上
[1] 但し、銀行、金融機関、証券会社等の特殊な業務に従事するものについては例外がある。
(注)本稿は法的助言を目的とするものではなく、個別の案件については当該案件の個別の状況に応じ、日本法又は現地法弁護士の適切な助言を求めて頂く必要があります。また、本稿に記載の見解は執筆者の個人的見解であり、西村あさひ法律事務所又はそのクライアントの見解ではありません。