中南米諸国向けファイナンス取引に関する考察
――メキシコ編(2)――
西村あさひ法律事務所
弁護士 杉 山 泰 成
3 メキシコ法人からの担保の取得
メキシコ法人に対する金融取引を行う場合の保全方法として、担保権の設定が考えられる。物的担保の場合には、担保対象物の所在地法が強制適用されるため、原則としてメキシコ法上の担保権を使用することになる(但し、債権譲渡担保の場合(特に外国法準拠の債権の場合)には、日本法/外国法上の債権譲渡担保を設定する余地もある。)。
⑴ メキシコ法に基づく担保の種類と成立要件
メキシコ法上認められている主な担保権には、Pledge(prenda)、Non-possessory Pledge(prenda sin desposessión)、Mortgage(hitoteca)、Guarantee Trust/Security Trust(fideicomiso de garanria)などがあり、日本法上の担保権と類似するもの及びメキシコ法独自の担保権が存在する。各担保権の法的性格に関する概要は以下のとおりである。
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