SH4479 中国:【速報】個人情報越境移転標準契約届出ガイドラインの公表(下) 川合正倫/艾蘇(2023/06/09)

取引法務個人情報保護法

【速報】中国:個人情報越境移転標準契約届出ガイドラインの公表 (下)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 川 合 正 倫

   外国法弁護士 艾     蘇

 

(承前)

3 個人情報保護影響評価の実施及び報告書の作成

 標準契約ガイドラインでは、重要な届出書類となる個人情報影響保護評価報告書(以下、「PIA報告書」という。)の様式も公表された。主な記載事項は以下のとおりであり、個人情報権益への影響を主眼とした点以外に、既に公表されていた、「安全評価ガイドライン」に別紙として付属されたデータ越境移転リスク自己評価報告書の内容と近い内容となっている。特に留意が必要なのは、「個人情報取扱者の基本情報」においては、業務内容に加え、直接の株主のみならず実質的支配者の情報や域内外投資の状況等、広範な内容の記載が求められている点である。それ以外にも、個人情報取扱者の越境移転の全段階における個人情報保護能力の評価を含め、PIA報告書の様式に数多くの記載事項が定められており、記載すべき内容の範囲及び詳細さに鑑み、PIAの実施には一定の労力と時間が必要となるものと考えられ、本届出のプロセスを踏まえた合理的なスケジュールを立てる必要がある。

この記事はプレミアム向け有料記事です
ログインしてご覧ください


(かわい・まさのり)

長島・大野・常松法律事務所上海オフィス一般代表。2011年中国上海に赴任し、2012年から2014年9月まで中倫律師事務所上海オフィスに勤務。上海赴任前は、主にM&A、株主総会等のコーポレート業務に従事。上海においては、分野を問わず日系企業に関連する法律業務を広く取り扱っている。クライアントが真に求めているアドバイスを提供することが信条。

 

(Su・Ai)

2017年九州大学法学部交換留学。2018年華東政法大学法学部及び日本語学部卒業。2022年東京大学大学院法学政治学研究科卒業、長島・大野・常松法律事務所入所。日中間の法律業務を中心に、クロースボーダー取引、企業再編、紛争解決等、幅広い分野で法務サポートを行っている。

(※中国での律師登録は行っていません。)

 

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

長島・大野・常松法律事務所は、500名を超える弁護士が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野のリーガルサービスをワンストップで提供し、国内案件及び国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。

当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ及び上海に拠点を構えています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」及び「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携及び協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

 

タイトルとURLをコピーしました