中国国家インターネット情報弁公室、生成系人工知能サービス管理弁法を公布
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士・カリフォルニア州弁護士 井 上 乾 介
中国弁護士・ニューサウスウェールズ州弁護士 石 瀛
1 はじめに
2023年に入り、自然言語を通じて人間には到底不可能な反応速度や知識蓄積を持つ生成系人工知能(以下「生成系AI」という。)を用いたサービスが全世界の注目を集めている。
その中で中国の国家インターネット情報弁公室は、2023年8月15日に施行する「生成系人工知能サービス管理弁法」(以下「本弁法」という。)を公布した。中国は、EUのAI Act[1]の立法と同様、新たな産業革命の中心になりうるAIの発展に向けて積極的に法整備を進めている。
本稿では、本弁法の内容について紹介し、中国のAI産業の発展に関する法環境の現況や今後の発展について検討する。
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(いのうえ・けんすけ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。
(せき・いん)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2019年オーストラリアニューサウスウェールズ大学法学部卒業。2019年ニューサウスウェールズ州事務弁護士登録。2021年中国弁護士登録。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
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