SH4903 中国:中国の土壌汚染問題(上)――土壌汚染問題をめぐる巨額賠償請求訴訟 德地屋圭治/洪厚鑫(2024/04/24)

取引法務企業紛争・民事手続

中国の土壌汚染問題(上)
――土壌汚染問題をめぐる巨額賠償請求訴訟――

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 德地屋 圭 治

顧問 洪   厚 鑫

 

はじめに

 最近、土壌汚染問題をめぐり、上海の上場国営不動産企業(上海陸家嘴金融貿易区開発股份有限公司(以下、「陸家嘴公司」という。))が巨額賠償を求めて提起した訴訟(以下、「本訴訟」という。)が中国で話題となっている。土壌汚染の防止については、中国においては、2016年に国務院が公表した「土壌汚染防止処理行動計画」をもとに、土壌汚染に関わる法令が次々と公表され、これに対する取締りも年々強化されており、土壌汚染問題や土壌汚染関係法令違反のリスクは、日系企業(特に製造業)が軽視できない問題になっている。本稿では、この話題となっている訴訟の概要を紹介した上で、中国法上、土壌汚染防止について企業に対してどのような責任が課されているか、日系企業としてどのような点に注意すべきかを説明する。

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(とくじや・けいじ)

長島・大野・常松法律事務所パートナー、上海オフィス一般代表。2003年東京大学法学部卒業。第二東京弁護士会所属。2011年University of California, Berkeley, School of Law卒業(LL.M.)、2013年Peking University Law School卒業(LL.M.)。豊富な海外法務の経験を有する(Zhong Lun、Lee and Liで研修)。
M&Aを中心に国内企業法務分野を取り扱うとともに、海外(中国大陸・台湾を含む)の企業の買収、海外企業との紛争解決、現地日系企業に関するコンプライアンス、危機管理・不祥事対応等企業法務全般に関して日本企業に助言を行っている。

 

(Houxin Hong)

日本長島・大野・常松律師事務所上海オフィス顧問。2017年江西師範大学国際教育学部卒業、2020年慶応義塾大学法学研究科卒業。現在長島・大野・常松法律事務所上海オフィスの顧問として一般企業法務、M&A及び企業再編、紛争解決を中心に幅広い分野を取り扱っている。
(※中国法により中国弁護士としての登録・執務は認められていません。)

 

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ及び上海に拠点を構えています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」及び「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携及び協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。

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