SH4827 シンガポール:シンガポールにおけるマネー・ロンダリング対策強化の動き 福井信雄/山本ゆり(2024/02/27)

組織法務公益通報・腐敗防止・コンプライアンス

シンガポール:シンガポールにおけるマネー・ロンダリング対策強化の動き

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 福 井 信 雄

弁護士 山 本 ゆ り

 

1 はじめに

 2023年8月、シンガポール史上最大規模のマネー・ロンダリング事件が摘発された。同事件では、詐欺やオンラインギャンブル等の海外における組織的犯罪によって得た資金が洗浄されたとされ、これまでに10人の外国籍の容疑者が起訴され、押収・凍結された資産は、現金、不動産、高級車、宝飾品等を合わせて、総額約28億シンガポールドル(約3000億円)にのぼる。シンガポールは近年マネー・ロンダリング対策に力を入れてきたが、今回の事件の摘発を受けて、更なる規制強化の動きが出てきており、今後シンガポールでの会社設立や口座開設の手続が厳格化され、シンガポールへの投資を検討する外国企業にも影響が及ぶ可能性が高い。そこで本稿では、かかる規制強化の動きを現在のマネー・ロンダリング対策規制の概要と併せて紹介する。

この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください


 

(ふくい・のぶお)

2001年 東京大学法学部卒業。 2003年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2009年 Duke University School of Law卒業(LL.M. )。 2009年~2010年 Haynes and Boone LLP(Dallas)勤務。
2010年~2013年10月 Widyawan & Partners(Jakarta)勤務。 2013年11月~長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務。 現在はシンガポールを拠点とし、インドネシアを中心とする東南アジア各国への日本企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

 

(やまもと・ゆり)

2017年 東京大学法学部卒業。2018年 東京大学法科大学院(司法試験合格により)退学。2019年 弁護士登録(第一東京弁護士会)、長島・大野・常松法律事務所入所。2023年10月よりシンガポール・オフィス勤務(現在は東京オフィス勤務)。入所以来、国内外のM&A案件・一般企業法務を中心とする企業法務全般に従事している。

 

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

長島・大野・常松法律事務所は、500名を超える弁護士が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野のリーガルサービスをワンストップで提供し、国内案件及び国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。

当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ及び上海に拠点を構えています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」及び「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携及び協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました