農業DX構想の改訂に向けた有識者検討会、「農業DX構想2.0」を取りまとめ
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 清 水 亘
弁護士 小 川 峻 矢
1 はじめに
令和3年(2021年)3月に策定された「農業DX構想」[1](以下、「現構想」という。)の見直しに向け、令和5年(2023年)6月に有識者からなる「農業DX構想の改訂に向けた有識者検討会」(以下、「本検討会」という。)が設置され、現構想策定後のデジタル化の進捗状況や社会状況の変化、新たなデジタル技術の登場・発展の状況を踏まえながら、これまで8回にわたり、今後の農業・食関連産業のデジタル化の方向性や進め方等に関する議論が行われてきた[2]。この度、本検討会において、これまでの検討結果を踏まえ、農業・食関連産業のデジタル化に向けた、農業・食関連産業やテック企業等の関係者に対する「マイルストーンを示すナビゲーター」として、令和6年(2024年)2月付で、「農業DX構想2.0 ~食と農のデジタルトランスフォーメーションへの道筋~[3]」(以下、「本構想」という。)が取りまとめられた。
本構想は、農業・食関連産業においても他産業と同様にデジタルトランスフォーメーションという世界があることを示し、関係者のデジタル化への関心を高め、デジタルトランスフォーメーションに向けたデジタル化の取組を後押しすることを目的とするものである。以下では、本構想の内容について概説する。
この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください
(しみず・わたる)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。東京大学法学部卒業。2005年弁護士登録(第一東京弁護士会。2012年愛知県弁護士会に登録替え)。主な取扱い分野は、知的財産法、テクノロジー法。
(おがわ・しゅんや)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2021年東京大学法学部卒業。2022年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
*「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用