個人情報委、「株式会社エムケイシステムに対する個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について」を公表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 田 浦 一
弁護士 安 藤 翔
1 はじめに
個人情報保護委員会(以下「個人情報委」という。)は、2024年3月25日、株式会社エムケイシステム(以下「本件会社」という。)に対し、個人情報の保護に関する法律(以下「個情法」という。)146条1項・147条に基づく指導等を行った[1](以下「本件指導等」という。)。本件は、個人情報委がクラウドサービスを利用した個人データの取扱いについて、いわゆる「クラウド例外」該当性を判断した点に特色がある[2]。以下では事案の概要および関連する法制度を概観した上、個人情報委の認定を解説する。
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(たうら・はじめ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル。2008年北海道大学法学部卒業。2010年北海道大学法科大学院卒業。2011年弁護士登録(第一東京弁護士会所属)。2019年New York University School of Law(LLM)修了。2020年ニューヨーク州弁護士登録。データプライバシー法務の他、IT・インターネット関連の案件について広くアドバイスをしている。また、会社法・M&A関連の案件を多数取り扱う。
(あんどう・しょう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2010年早稲田大学法学部卒業。2013年慶應義塾大学法科大学院卒業。2014年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2019年~2020年に米国ニューヨークの大手総合商社・コンプライアンス部門に出向。2022年University of Virginia(LL.M)卒業。経営法曹会議会員。使用者側の労働法務を中心に個人情報保護法等の領域も取り扱い、国内外のクライアントに対し、多数のアドバイスを行っている。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
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