金融庁、「インサイダー取引規制に関するQ&A」に「応用編(問9、10)」を新設
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 齋 藤 宏 一
弁護士 早 瀨 孝 広
弁護士 秋 野 博 香
弁護士 角 田 怜 央
1 はじめに
金融庁と証券取引等監視委員会は、2024年4月19日、事後交付型株式報酬における現物株式の付与および株式報酬の源泉徴収税額充当目的の売却に関するインサイダー取引規制の適用に関し、「インサイダー取引規制に関するQ&A」[1](以下「Q&A」という。)に「応用編(問9、10)」を追加した。Q&Aは、2008年11月18日に公表されたものであるが、2019年7月29日にはインサイダー取引に関する基本事項を解説した「基礎編(問1~問7)」が追加され、元々存在していたQ&Aのタイトルを「応用編(問1~問5)」とする改訂がなされていた。さらに、2023年12月8日には、知る前契約・計画の中止等に関する法令解釈の指針等を示した「応用編(問6~問8)」が追加されている。今回のQ&Aの改訂では、従来の「応用編(問1~問8)」に追加する形で、「応用編(問9、10)」として、事後交付型株式報酬および株式報酬の売却に関するインサイダー取引規制の適用に関する法令解釈の指針等が示されている。
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(さいとう・こういち)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。「日本企業を元気にする」ことをミッションとし、国内・グローバル案件を問わず、インセンティブ報酬案件を数多く手掛け、日本におけるこの分野の第一人者。また、サステナビリティ法務、特にビジネスと人権に関連する案件の助言も行っている。1999年東京大学法学部卒、2008年ハーバード・ロースクール修士課程(L.L.M.)修了
(はやせ・たかひろ)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2009年早稲田大学大学院法務研究科修了。2010年弁護士登録(第二東京)。2017年ハーバード・ロースクール(LLM)修了、2017-2018年米国Pillsbury Winthrop Shaw Pittman法律事務所(ロサンゼルス)勤務。2018年ニューヨーク州弁護士登録。国内及びグローバルのインセンティブ報酬の導入・運用等を含むコーポレート案件を中心に取り扱う。
(あきの・ひろか)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2018年慶應義塾大学法学部卒業。2019年東京大学法科大学院中退。2020年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
(かくた・れお)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2022年東京大学法学部卒業。2023年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
*「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用