経産省、半導体等の重要技術分野で海外への技術移転に
事前報告を義務付ける貿易関係貿易外取引等に関する省令等を改正
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 松 本 拓
弁護士 田 村 允
1 はじめに
2024年10月30日、経済産業省(以下「経産省」という。)は、「貿易関係貿易外取引等に関する省令の一部を改正する省令」を改正[1](以下「本改正」という。)するとともに、当該省令に基づいて、重要管理対象技術を提供することを目的とする取引について報告を求める告示[2](以下「本告示」という。)を制定した(本改正および本告示の制定をあわせて、以下「本改正等」という。)[3]。
本改正等に係る省令案および告示案(以下「改正省令案等」という。)は、2024年9月6日に経産省から公表され、1か月間の意見公募手続を経て、今般の本改正等に至った。本改正は10月30日、本告示は12月30日に施行される。本改正等は、電子部品や半導体などの10分野で、海外への技術移転に際して事前報告を義務付け、日本が優位性を有する技術の流出防止を意図するものだが、施行されればグローバルに事業を展開する企業への大きな影響が予想される。
本稿では、改正省令案等からの変更点、および意見公募手続で寄せられた意見に対する経産省貿易経済安全保障局経済安全保障政策課技術調査室(以下「経産省技調室」という。)の回答のうち実務上参考にすべきポイントを紹介する。なお、本改正等の経緯および概要については、改正省令案等の公表時の記事を参照されたい[4]。
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(まつもと・たく)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー(弁護士・ニューヨーク州弁護士)。主要な業務分野は,①M&A・投資,②経済安全保障・通商,③アウトバウンド・インバウンド,④スタートアップ法務・投資,⑤ウェルス・マネジメント及び⑥競争法関連。2012年インドネシアのSSEK法律事務所勤務,2016年コロンビア大学・ロースクール(LL.M.)修了,2016年~2017年米国のSeward & Kissel法律事務所勤務。https://www.amt-law.com/professionals/profile/TUM
(たむら・じょう)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2022年パリ政治学院公共政策大学院(Master in European Affairs)・シンガポール国立大学リークアンユー公共政策大学院(MPP)修了。2023年弁護士登録(第二東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
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