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SH5397 EUの「汎用目的AIの実施規範」の第二次草案 後藤未来/石瀛(2025/04/11)

そのほか新領域

EUの「汎用目的AIの実施規範」の第二次草案

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士・ニューヨーク州弁護士   後 藤 未 来

ニューサウスウェールズ州弁護士・上海オフィス顧問   石     瀛

 

1 はじめに

 欧州連合(EU)は、2024年12月19日、「汎用目的AIの実施規範(General Purpose AI Code of Practice)」の第二次草案(以下「本第二次草案」という。)を公表した[1]。本第二次草案[2]は、2025年2月2日から段階的に適用されるEUのAI Act(以下「AI法」という。)の規定に基づき、汎用目的AIモデル提供者が透明性、倫理性、安全性等を確保するための要件を補足するものである[3]

 ChatGPTなどの汎用目的AI(General-Purpose AI)は、特定のタスクに限定されるAIシステムとは異なり、幅広いタスクや用途に適用可能な特性を有する。この汎用性ゆえに、社会全体や市場において大規模かつ深刻な影響を及ぼす可能性があるとの認識を踏まえ、AI法55条等では、汎用目的AI提供者に対してより厳格な透明性、倫理性、安全性等を確保する義務が課されている。本第二次草案は、かかる義務をさらに補完するための実践的な指針として位置づけられている。

 なお、その後、2025年3月11日には、本実施規範の第三次草案が公表されている[4]。この第三次草案、さらには今後予定される最終版の理解に資する観点から、本稿においては本第二次草案の内容を概観する。

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(ごとう・みき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー、弁護士・ニューヨーク州弁護士。理学・工学のバックグラウンドを有し、知的財産や各種テクノロジー(IT、データ、エレクトロニクス、ヘルスケア等)、ゲーム等のエンタテインメントに関わる案件を幅広く取り扱っている。ALB Asia Super 50 TMT Lawyers(2021、2022)、Chambers Global(IP分野)ほか選出多数。AIPPIトレードシークレット常設委員会副議長、日本ライセンス協会理事。

 

(せき・いん)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2019年オーストラリアニューサウスウェールズ大学法学部卒業。2019年ニューサウスウェールズ州事務弁護士登録。2020年中国法律職業資格取得。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。

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* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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