ベトナム：退職後の競業避止
――近時の裁判例の変動――
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 井 上 皓 子
ベトナム弁護士 Truong Thi Thu Hoai
2018年にSH1974 ベトナム：【Q&A】労働者の秘密保持と兼業禁止 井上皓子（2018/07/18）・SH2101 ベトナム：退職後の競業禁止―近時の裁判例 井上皓子（2018/09/21）で、秘密保持に関する法規制を紹介し、退職後の競業避止条項の有効性を肯定した注目すべき裁判所の決定を分析した。その後、下級審ではあるが、競業避止条項の有効性を否定した判決が出されている。今回は、そのうち2つの判決を紹介し分析したいと思う。退職後の競業避止条項については、米国で原則として禁止とする新規則が発表されるなど注目が集まっているが、会社の機密情報を守る上では有効な施策ともなり得るため、ベトナムにおいても、具体的な事例を分析し、対応を検討することがますます重要になるように思われる。
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（いのうえ・あきこ）
2008年東京大学法学部卒業。2010年東京大学法科大学院修了。2011年弁護士登録（第一東京弁護士会）。2018～2020年、長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス勤務。日本にお
（Truong Thi Thu Hoai）
2013年Hanoi Law University及び名古屋大学日本法教育研究センター（ハノイ）卒業後、2019年に名古屋大学大学院法学研究科にて法学博士号を取得。翌年ベトナム弁護士資格を取得し、長島・大野・常松法律事務所ハノイオフィスに入所。日越双方の法律に関する知識を活かして、ベトナムで事業活動を行う日本企業へのベトナム法のアドバイスを行っている。
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