重要ニュース速報(アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業)

特許・商標・意匠・著作権

SH4793 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について(素案)」のパブコメを開始 中崎尚(2024/02/01)

素案では、主に生成AIを念頭に、無許諾でAI学習が許容される範囲のみならず、著作権侵害の有無の考え方、AI生成物の著作物としての保護の有無について、踏み込んだ議論が示されている。前回の記事では、素案(当初版)を前提に、構成およびホットイシューの論点を中心に紹介したので、1月23日時点版では、前回紹介できなかった内容および当初のバージョンからどのような変更が入ったかを中心に、そのポイントを紹介する。
そのほか

SH4791 デジタル庁、第1回「AI時代における自動運転車の社会的ルールの在り方検討サブワーキンググループ」開催 井上乾介/藤井駿太郎/福山和貴(2024/01/31)

自動運転の技術については、従来、物体認識において機械学習やディープラーニングを用いつつ、それ以外の判断や制御においては、ルールベースの条件分岐(特定の事象に対してこういった動作を行うといったルールをあらかじめ定めることで行動決定をすることや、目標値の実現のためモーターの回転を制御することなど)によるプログラミングが主流であった。
サステナビリティ

SH4785 経団連自然保護協議会、「企業の生物多様性への取組に関するアンケート調査結果概要」を公表 清水亘/小川峻矢(2024/01/26)

企業の生物多様性への取組に関するアンケート調査2022年度版(以下「本調査」といい、本調査の結果を「本調査結果」という。)は、令和5年(2023年)年2月から4月にかけて、昆明・モントリオール生物多様性枠組[2](以下「GBF」という。)や自然関連財務情報開示タスクフォース[3](以下「TNFD」という。)等の国際動向等に照らした、各社およびわが国経済界の取組状況ならびに取組上の課題や解決策について情報収集し、分析する目的で、経団連自然保護協議会が実施したものである。
競争法(独禁法)・下請法

SH4784 公正取引委員会による独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に係るコスト上昇分の価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査の結果について 石田健/二村尚加(2024/01/26)

公正取引委員会(以下、「公取委」という。)は、2022年12月27日に公表した「独占禁止法上の『優越的地位の濫用』に関する緊急調査の結果」等において価格転嫁円滑化に向けた調査等を継続するとしていたところ、2023年5月30日付けでコスト上昇分の価格転嫁が適切に行われているかなどの状況を把握するためのさらなる調査として、調査票などにより特別調査を実施することを公表した。
個人情報保護法

SH4783 個人情報委、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&Aの更新、および、漏えい等報告書の記載事例(⑤クラウド事業者による代行報告事例)の追加 田浦一/平岩三佳(2024/01/25)

個人情報の保護に関する法律上、個人情報取扱事業者が第三者に対して個人データの取扱いを委託している場合において、個人データの漏えい等の報告義務の主体は、委託元と委託先の双方となるのが原則である。この場合、委託元および委託先の連名で報告することも可能である。
資本市場・IPO

SH4781 経産省、第1回「スタートアップ・ファイナンス研究会」開催 佐橋雄介/福山和貴(2024/01/24)

スタートアップの創出・育成に向けて2022年11月に政府により策定された「スタートアップ育成5か年計画」(以下「5か年計画」という。)において掲げられた目標のうち、とりわけ、資金面について、上場段階も含めたスタートアップのファイナンス・エコシステムのあり方を議論することが重要であることから、2023年11月1日、「スタートアップ・ファイナンス研究会」(以下「本研究会」という。)が設置され、スタートアップのファイナンス環境にかかる課題と今後取り組むべき施策について検討を行うこととされた。
特許・商標・意匠・著作権

SH4773 文化審議会著作権分科会法制度小委員会、「AIと著作権に関する考え方について(素案)」の公表 中崎尚(2024/01/18)

AIと著作権をめぐっては、わが国では、平成30年(2018年)の著作権法改正において、「柔軟な権利制限規定」として著作権法(以下「法」と記載する場合がある)第30条の4及び第47条の5が導入され、「機械学習天国」とも呼ばれる、世界でも類を見ないAI学習向けの環境が整えられた。当時も生成AIが将来登場することは想定されていたものの、世間には膾炙しておらず、ここまで激烈な反対運動も見られなかった。
組織法務

SH4767 公開買付制度・大量保有報告制度等 ワーキング・グループ報告の公表 菅隆浩/稲村将吾(2024/01/15)

WGでは、諸外国の公開買付制度における閾値、日本の上場会社の議決権行使割合を前提とした特別決議の拒否権を事実上確保できる水準、3分の1よりも低い数値であっても普通決議に重大な影響を及ぼし得るものであることを考慮し、3分の1ルールの閾値を30%に引き下げることが適当と結論づけている。
個人情報保護法

SH4766 個人情報委、第264回個人情報保護委員会を開催――いわゆる3年ごと見直しに関するヒアリングおよび「個人情報の保護に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」等に関する意見募集の結果について 井上乾介/中山希(2024/01/15)

本委員会においては、個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する関係団体へのヒアリングが行われるとともに、2023年9月14日から同年10月13日までの間に行われた「個人情報の保護に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」等に関する意見募集の結果について報告がなされた。
取引法務

SH4764 主要株主が制度信用取引により取得した買い建玉を売却し、同日に同数の株式を同一金額で現物取引により買い付けたクロス取引が短期売買利益提供義務の類型的適用除外取引に当たらないと判断された事例(東京地判令和5年12月6日) 生方紀裕(2024/01/12)

東京地方裁判所は、2023年12月6日、上場会社(原告)の主要株主(被告)が制度信用取引により取得した原告株式の買い建玉を売却し、同日に同数の原告株式を同一金額で現物取引により買い付けたクロス取引に関して、原告が被告に金融商品取引法164条1項に基づいて、短期売買利益を提供するように請求した事案について、原告の請求を認めて、被告に短期売買利益相当額および遅延損害金の支払いを命ずる判決を下した。