重要ニュース速報(アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業)

取引法務

SH4723 EDPB、eプライバシー指令5条3項の技術的範囲(追跡技術)に関するガイドラインを公表 ――パブリックコンサルテーションの手続を開始 中崎尚(2023/12/07)

2023年11月16日、欧州データ保護委員会(以下「EDPB」)は、eプライバシー指令5条3項の技術的範囲に関するガイドライン2/2023(以下「本ガイドライン」)を発表した。現在、既存のトラッキングツールに取って代わり、新たなビジネスモデルを生み出すトラッキング手法が多数出現しつつあり、プライバシーへの新たな脅威として認識されつつある。クッキーを始めとする既存のトラッキング技術については、eプライバシー指令5条3項の適用可能性は明らかであるところ、新たなトラッキングツールへの同条項の適用可能性の有無に関しては不明な点も多い。本ガイドラインの登場によって、このような不明確さが解消されることが期待されている。本記事では、eプライバシー指令の枠組みを踏まえた上で、本ガイドラインの概要とその位置づけ、事業者が求められる対応を紹介する。
個人情報保護法

SH4716 総務省、プラットフォームサービスに関する研究会「利用者情報の取扱いに関するモニタリング結果」を公表 田浦一/中村美子(2023/12/01)

透明化法の規律対象事業者である「Google社」、「Meta社」、「ヤフー社」に対して、デジタル広告分野における利用者情報の取扱いの観点からモニタリングが実施された。本モニタリング結果は上記3社に対するモニタリングの結果を公表するものとなっている。
営業秘密・機密情報管理

SH4715 欧州議会、データ法を採択〔コネクテッド製品等の使用を通じて生成されたデータへのアクセスを円滑化する。今後、EU理事会の承認後に成立〕 井上乾介/藤井駿太郎/石瀛(2023/11/30)

2023年11月9日、欧州議会はデータ法を採択した 。本稿では、主にIoT関係企業と利用者にかかわるビジネス関連の規定に焦点を当て、データ法を概観する。
取引法務

SH4710 EDPB、Facebook及びInstagramを運営するメタ社に対して「行動ターゲティング広告」を禁止するノルウェーの措置を、EU・EEAの全加盟国30か国にて適用と発表 ――時系列でみるEU各国当局とメタ社の闘い 中崎尚(2023/11/28)

EDPB、Facebook及びInstagramを運営するメタ社に対して「行動ターゲティング広告」を禁止するノルウェーの措置を、EU・EEAの全加盟国30か国にて適用と発表 ――時系列でみるEU各国当局とメタ社の闘い―― アンダーソン・毛利...
新領域

SH4709 米政府、AIの安全で責任ある使用を促進するための新たな取組みを発表 後藤未来/石瀛(2023/11/28)

米政府によるAIに関する最近の取り組みとしては、2023年10月30日に、安全・安心・信頼できるAIの開発と利用に関する大統領令が公表された。その直後、2023年11月1日から2日にかけて、米国、日本、EU、中国等を含む28か国が参加した世界AI安全サミット(AI Safety Summit)が英国のブレッチリーパークにて開催され、米国からはハリス副大統領も参加し、AIの安全で責任ある使用を促進するための米国の新たな取組みを発表した。
新領域

SH4706 総務省、「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第1回)」を開催 井上乾介/福井佑理/佐々木公樹(2023/11/27)

昨今、生成AIやメタバースなどのデジタル技術の進展が急速に進んでいるが、それに伴い、それらの技術の利用に内在する様々なリスクが顕在化してきている。
個人情報保護法

SH4705 雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項の一部改正 上田潤一/平井裕人(2023/11/27) 

本留意事項は、雇用管理分野における個人情報のうち労働者の健康に関する情報の取扱いに関して、個人情報保護法その他の法令における事業者の法的義務を整理し直したものであり、事業者に対して、新たな法的義務を課すものではない。
特許・商標・意匠・著作権

SH4703 内閣府「AI時代の知的財産権検討会」第3回の動向――AIと特許をめぐる議論について 後藤未来/市川祐輔(2023/11/24)

AI技術の急速な進展と普及に伴い、企業等における発明の創作過程でのAIの活用が進むことが予想される。これを踏まえ、「AI時代の知的財産権検討会」においては、AIを利用して行われる発明についての現行法制度の考え方を整理する必要があるという認識がなされている。
サステナビリティ

SH4702 我が国初となる「CCS事業法」案 大槻由昭(2023/11/24)

既報のとおり、わが国でもCCS(二酸化炭素の回収・地中等への貯留)の事業化に関して政府の検討会でも検討されてきているところ、近時、CCS事業にかかる法制化の動きが加速されている。直近では、本年11月6日に、経済産業省 総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会カーボンマネジメント小委員会・産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 産業保安基本制度小委員会の合同会議が開催され、CCSの実施にかかるわが国で初となる法律として「CCS事業法」(仮称)の具体化に向けた検討が開始されている[1]。本稿では、かかる「CCS事業法案」構想について、すでに公表されている政府資料をもとに、CCS事業にかかる若干の前提となる情報を加えつつ、一定の考察を加えるものである。
そのほか

SH4701 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号は憲法13条に違反すると判示した最高裁決定(最大決令和5年10月25日) 齋藤宏一/野村直弘(2023/11/24)

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号は、性同一性障害者が性別の取扱いの変更の審判を請求するための要件の一つとして、「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」を定めている。 社会的にも大きな注目を集めた令和5年10月25日の最高裁大法廷決定は、本件規定が憲法13条に違反し無効であると判示した。