SH4341 Legal Operationsの実践(15)――Legal Operationsに期待すること-法務責任者の視点から 君嶋祥子(2023/03/06)

法務組織運営、法務業界

Legal Operationsの実践(15)
――Legal Operationsに期待すること-法務責任者の視点から――

株式会社LIXIL

君 嶋 祥 子

 

  • Legal Operationsの実践(23)――最終回――連載の終わりにあたって(座談会)(上)
  • Legal Operationsの実践(24)――最終回――連載の終わりにあたって(座談会)(下)

 

1 法務部門変革の必要性

 米国を中心として海外で議論が始まり、ここ数年で実務に定着してきたLegal Operationsは、日本では少し遅れて話題となり、2021年ころから法律雑誌[1]や法務関係者の会議の議題にも登場するようになった。

 内外の事業環境の変化に伴い、法務部門の機能と職責は広がりを見せる一方である。法務部門は、法務力を背景に、信頼されるビジネスパートナーとして、機動的で現実的なソリューションの提供を期待される。案件の早い段階から関わり、事業部門に寄り添いながら迅速で高品質のリーガルサービスを提供する。他方、当社を含む多くの会社では、事業部門のニーズに応えたくても、外部採用を大きく増やしてリソースを拡充する贅沢は許されないのが一般的であろう。リソースが逼迫する中、事務処理の非効率も手伝い、より付加価値の高い仕事に時間と労力を割くことが困難な現実がある。社内クライアントの不満もたまる。

 よって、案件処理や業務プロセス、データ管理の効率化・デジタル化、予算・支払管理や人員計画など組織運営上必ず存在する業務を集約し生産性を向上させることは、法務部門にとって喫緊の課題である。

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(きみじま・しょうこ)

株式会社LIXIL 執行役専務 兼 Chief Legal and Compliance Officer、弁護士(日本・米国ニューヨーク州)。
慶應義塾大学法学部、同大学院法学研究科修士課程、米国ニューヨーク大学ロースクールLL.M課程修了。長島・大野・常松法律事務所、General Electric Company日本支社・子会社、東京エレクトロン株式会社勤務等を経て現職。

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