SH4523 Legal Operationsの実践(23)――連載の終わりにあたって(座談会・上)(2023/07/10)

法務組織運営、法務業界

Legal Operationsの実践(23)
連載の終わりにあたって(座談会・上)

日 時:2023年5月22日19:00-

参加者:
(モデレーター)
門永真紀(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)

鈴木 卓(三菱商事株式会社)
宮田照三(株式会社JERA)
齋藤国雄(LINE株式会社)
能勢 明(積水化学工業株式会社)

 


  • Legal Operationsの実践(24)――最終回――連載の終わりにあたって(座談会)(下)

 

門永
門永

皆さん、本日はお集まりいただきましてありがとうございます。いつもCLOC Japanで顔なじみのメンバーですが、今日は座談会ということで、皆さんの所属されている法務部門のLegal Operationsについて、ざっくばらんにお話を伺いできればと思います。
では早速ですが、各自自己紹介を簡単にお願いしたいと思います。

齋藤
齋藤

LINE株式会社の齋藤と申します。普段は法務部門の中でコーポレートガバナンス関連の業務を担当しております。2019年にCLOCのGLOBAL INSTITUTEに参加する機会がありまして、それ以来 Legal Operationsに関心を持ち、CLOC Japanや日本版リーガルオペレーションズ研究会にも参加させていただいております。本日は皆さんのお話を伺えることを楽しみにしておりました。どうぞよろしくお願いいたします。

鈴木
鈴木

三菱商事の鈴木です。2016年に西村あさひ法律事務所から三菱商事に転職しまして、2018年にシリコンバレーに半年滞在し、2019年から今のニューヨークに駐在しております。2018年にCLOCに入りまして、2~3年くらい議論をフォローしてきて、日本でもLegal Operationsの議論をした方がいいだろうと思うに至ってですね、JILAでまずLegal Operations研究会を立ち上げて、そのあと経営法友会の有志の皆さんと日本版リーガルオペレーションズ研究会をさせていただいて、今はCLOC Japanを、門永さんと一緒に主催させていただいているという状況です。よろしくお願いします。

能勢
能勢

積水化学工業株式会社の能勢です。元々電機メーカーで働いていて、その後積水化学に2013年に入りましたが、基本的には法務のキャリアを積んできています。2019年から2021年まで社会人大学院に行っておりまして、そこの修士レポートでLegal Operationsの日本企業の法務部門への適用について研究しておりました。その他業務で言いますと、契約のワークフローの導入や、現在はBIツールによって可視化していくということに取り組んでいます。

宮田
宮田

株式会社JERAの宮田と申します。JERAは東京電力ホールディングス株式会社と中部電力株式会社の火力発電事業を統合した会社です。私自身は法律分野の専門教育を受けておらず、また法曹資格も保有していません。システムエンジニアでフルタイムの仕事を始めた後、当時在籍していた会社で1人法務を約6年やっていました。2020年にJERAに加入し、ここでLegal Operationsのコンセプトや考え方を初めて知り、現在は自分のスキルセットを活用しています。

門永
門永

それでは早速本題に入っていきたいと思います。まずは、各社様の組織内でのLegal Operationsに関する取組みについてご紹介をお願いします。齋藤さんからお願いできますか。

齋藤
齋藤

弊社の法務部門は50人規模の組織です。事業法務、コーポレートガバナンス系の法務、契約管理・登記の業務を担当するチームなどがありますが、それらのチームと並ぶ形で、Legal Operationsチームがあります。メンバーは3名で小規模のチームです。Legal Operationsの領域は多岐に渡るので、日々の業務を抱えているメンバーが担当するということになると荷が重く、専門に考えるチームがあった方がいいという発想でチームが発足されました。Legal Operationsの最も大きな成果が出たのは、やはりコロナ禍に突入したときの契約書類の電子化でした。現在(この座談会を実施した2023年5月22日現在)、弊社はヤフー株式会社およびZホールディングス株式会社と組織再編をしようとしていますので、今後新しい会社でどういうオペレーションを構築していくかという観点でも、 Legal Operations チームのこれまでの活動実績が参照されていくことになりそうだと思っております。

門永
門永

3名でLegal Operationsのチームが構成されているとのことですが、それぞれどのようなバックグラウンドの方がいらっしゃるのでしょうか。

齋藤
齋藤

1名は、元々SIer(System Integrator)で仕事をしていたSEの方でして、システムや技術に明るく、法務部門での経験も長い方です。その他の2名は法務の隣接部門で働いている方に兼務として入っていただいておりまして、外から見て客観的に法務部門としてどうあるべきかという観点で意見出しや、企画をしてもらっているという形です。

門永
門永

バックグラウンドに関する話が出ましたので、続いて、法務以外のバックグラウンドからLegal Operations業務に入られた宮田さんにお話を伺いたいと思います。

宮田
宮田

当社の法務部は約30人です。ビジネス系の戦略法務と、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、そしてLegal Operationsの4つのチームで構成されています。Legal Operationsチームは私を含めて現在4名で、会社の正式な組織として成立してから1年強が経過しました。スキルセットについては、4名のうち2名は弁護士資格を持っています。残り2名のうち1人が私で、システムエンジニア出身です。もう1人は派遣スタッフです。ビジネスローに詳しい人が1~2名、ICT技術に詳しい人が1~2名、アドミン業務を幅広く担当するのが1~2名、というチーム構成です。

門永
門永

ありがとうございます。次に、能勢さんにもお伺いしたいと思います。能勢さんは、ご自身でもLegal Operationsの研究をされていたということですが、御社のLegal Operationsの取組みに関して、研究成果を活かしていらっしゃるところもありますか。

能勢
能勢

まず当社は全社で約50名の法務部員がおります。当社はカンパニー制を敷いていまして、本社と各カンパニー、それから海外拠点に法務担当がいる形です。Legal Operationsの専任担当者はおりません。各業務分野で効率化とかデータ活用といったことは行っていますが、それを「Legal Operations」として捉えてやっているわけではなくて、業務効率化の一環です。Legal Operationsという動きの中でのさまざまな議論は、仕事のポイント、ポイントで非常に役に立っています。ただ体系的にLegal Operationsと捉えてやっているわけではないというのが当社の状況です。

門永
門永

鈴木さんは米国にいらっしゃるということで、米国では日本より先進的な動きもあるのかなと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木
鈴木

当社の法務部は、東京の本店の所属が大体100名程度で、海外のメンバーも含めて、大体140名ぐらいという規模です。Legal Operationsという名前のチームは本店にはありません。今、私が働いている北米を見ているチームの中には、1人Legal Operations担当者がいるという形になっています。Legal Operations自体はかなり新しいファンクションでして、去年、アドミをやっていた方のジョブディスクリプションを書き換えていただいて、Legal Operationsに変わったというのが現状です。ですので北米のチームに、現在21名、20人から22人ぐらいの間で推移していますけれども、そのチームの中に1人、Legal Operationsがいるという割合になっています。

門永
門永

皆さん、さまざまな体制、アプローチでLegal Operationsの取組みをされているのですね。昨夏から私たちは商事法務ポータルでの連載等の活動をしてきたわけですが、連載企画への参加を通じて、あるいは他の記事を読むことを通じて自社のLegal Operationsの在り方について考える機会もあったかと思います。連載を通じて自社の取組みと関連付けてのご感想や、日々Legal Operationsの取組みをなさる中で、日本企業のLegal Operationsについて思うところ等あれば、ざっくばらんにお話いただければと思います。まずは、海外から日本のLegal Operationsの現状をご覧になっている鈴木さんのお話を伺いましょうか。

鈴木
鈴木

連載では、執筆のご担当者や会社によっても内容の違いは感じられましたが、そこに日米の差がどう出ているのかという視点で読んできました。日本の皆さんに書いていただいた中でも、かなり色々な論点や、実務の課題も見えてきて、日本の中でも一定の議論があるなというふうに思って拝読しています。一方でどう読むかの問題なのかもしれないという気も最近はしているのですけれども、やはり何か新しいことがあったときに、動きが早いのはやはり米国なのかなというふうに思っています。足元で言えば、ChatGPTのようなGenerative AIが出てきたときに、それに対する反応が速いのはやはり、米国のLegal Operationsの人たちなのかなという気はしています。すぐに導入するのが、それはそれで正しいのかという観点はもちろんありますので、慎重に検討した上で対応するというのは一つのスタンスだとは思います。ただ、その反応速度の違い、ダイナミックさの違いはあるように感じます。また、Legal Operationsと呼ぶかは別として、Legal Operationsに属するファンクションをきちんと1ヵ所にまとめて、全体を見ながら対応できる体制にするかという点で、現時点では日米で違いがあるのではないかと思って見ています。

門永
門永

鈴木さんからは、1つの組織・部署でLegal Operations全体を見るという体制の在り方について言及がありました。この点、齋藤さんのチームではそれに近い体制を敷いているのではないかと思いますが、齋藤さんとしては今のお話をどのように受け止められましたか。

齋藤
齋藤

元々、日本企業でLegal Operations的な要素が全然なかったかというと、実はそうでもないと思っています。ただ、それをフレームワークとして分解して検討するという試みは、これまでにもあったのかもしれませんが、それほど目立っていなかったのかもしれません。それが今、注目を集めている時代なのではないでしょうか。弊社でLegal Operationsチームができた背景を申し上げますと、実は弊社の法務はほとんどが転職者なんです。ですから法律事務所と企業の中間のような組織文化になっていて、会社の中で伝統的なオペレーションの決まりがなく、自分たちである程度作り上げていく必要があったのですね。振り返ってみれば、その中でLegal Operationsを明確に意識する機会がたまたま多かったのではないかと思っています。検討する過程で、色々な文献や他社の実態を参照させていただくと、実は伝統的な日本企業では既にあったけれども、たまたま言語化されずに各社では当然のものとして行われてきたものを、我々が追いかけている部分もあるのではないか、という印象を持つ場面は何度もありました。ですからLegal Operationsという言葉はすごく新しいように感じるのですけれど、最先端の部分と、実はこれまで既に実装されていたけれども表で必ずしも語られてこなかった部分を、今あらためて見つめ直している部分との両方があるのではないかと感じております。

門永
門永

能勢さんの法務部門では、特に専属のチームを置くわけではなく、部員の皆さんがLegal Operationsに取り組んでいらっしゃるというお話でした。多くの日本企業は、同様の形をとっているのではないでしょうか。その中で、従前より取り組んでこられた面と、特に近年意識して取組みを強化されている面があるのではないかと思います。日本企業全体の現状に関するご感想も含めて、今の想いをお聞かせいただけますか。

能勢
能勢

やはり「Legal Operationsとは何か?」という問いに直球で答えることがなかなか難しくて、米国で急速に発展している取組みですと言っても、ここは日本ですし。やはりまずLegal Operationsで何ができるのかがある程度見えてきて、それからそこに資源投入するということになると思うのです。今のところはそのようなユースケースや小さな成功を積み上げていって、Legal Operationsという捉え方をすることでこれだけ価値があると見せることが、Legal Operationsを広めていく観点では必要なのかなと思います。

ただ、Legal Operationsとして整理をしなくても、同じことをやっていれば、同じ価値を生み出していけるわけなので、それを必ずしも「Legal Operations」と捉えないといけないとは思っていません。「Legal Operations」として捉えた方がいいということになれば、当社も他の会社もそちらの方向に向かうのではないかと思っています。

門永
門永

さて、宮田さんの場合は、会社自体が比較的新しいと思いますので、その意味では他の方々とはLegal Operationsへの入り方が違ったのかなと思うのですが、そのあたりをお聞かせいただけますか。

宮田
宮田

当社の場合、法務部長がLegal Operationsを法務部の機能に取り込みたいと考えたところから始まっています。私自身は、JERAに入る前は、このコンセプトを全く知らず、入社後に説明を受けました。率直に言うとそんなに難しいことを言っていないし、ビジネス行動的にもオーソドックスなことを言っているように思います。ただ、法務の人からすると、これまでの仕事のスタイルとは違う部分があります。つまりリアクティブに対処するという法務の仕事一般的な仕事のやり方とは違って、Legal Operationsは自分たちが企画を立案したり、ルールを変えたりするので、とっつきにくい部分はあるかもしれません。

もう一つ申し上げると、Legal Operationsには「組織を変えるための組織的行動」という側面があると私は理解しています。ですからLegal Operationsチームは既存の法務組織の敵ではなく味方ではあるものの、一種の緊張関係があります。この立場をどのように既存の組織に理解してもらうかに、Legal Operationsの成否がかかっていると感じています。

門永
門永

「組織を変えるための組織的行動」というのは、とてもいい表現ですね。Legal Operationsのコンセプトは、法務にとっては元々それほど馴染みがなかったかもしれませんが、本来、他部門ではオペレーションの改善は当たり前のようにやってきたことではないかと思います。それを法務でも進めていこうという議論が出てくることは、ある意味当然の流れであり、どんどん推し進めていくべきことではないでしょうか。

齋藤さんにお聞きしたいのですが、御社ではLegal Operationsのチームの中に法務以外の、隣接部門のメンバーもいらっしゃるというお話でしたが、Legal Operationsの改善に当たり、隣接部門での取組みや考え方を取り入れるといった工夫はされていますか。

齋藤
齋藤

他部門から来ているメンバーからノウハウを直接的に何か輸入しているというわけではありません。やはり今の、宮田さんのご発言と重なるかもしれませんが、法務部門の内発的動機でオペレーションを改善していくことに、あまり慣れていない人が多いので、オペレーションを改善して成功した経験がある人の知見を取り入れたいという期待があって、隣接部門から来ていただいているという背景があります。過去には法務業務、たとえば契約審査を担当していた人が同じようなことを試みたこともあったのですが、なかなか個人の頑張りだけでは組織が動かしづらいところもあります。いわゆるチェンジマネジメントというか、どうすれば組織全体が動いていくのかという成功体験がある人がLegal Operationsを担当することは重要なのではないかと思っています。Quick win、小さな成功を積み重ねていくことが重要なので、そういう体験をしたことがある人に来ていただいています。

門永
門永

ありがとうございます。それでは次の話題に移りたいと思います。おそらく皆さんにとって最もご関心のあるトピックではないかと思いますが、各社のLegal Operationsに関して、現在直面されている課題について、順にお話を伺いたいと思います。まずは、鈴木さんからお願いできますか。

鈴木
鈴木

足元で取り組んでることはいくつかありますけれど、1つ選ぶとすると、契約のライフサイクル管理に取り組んでいます。当社(米国法人。以下同様。)は営業の会社でして、各営業の部門/部署が自らの責任で契約を結んで管理するという基本的なスタイルになっています。これはこれで我々の会社にとっては正しいやり方だとは思っているのですけれども、これが徹底されますと、法務部門やコーポレートサイドの部門や、あるいはトップの経営層から、会社全体としてたとえばNDAが何件あるのかとか、あるいはそもそもこの会社とのNDAが今あるのかどうかとか、有効期間がいつまでなのかといったことが見えにくくなってしまうということが課題感としてあります。契約の管理の主体が各責任を持っている部署である、ということは変えずに、一方で法務側、コーポレート側とか経営層からも、きちんと契約全体が見えるようにするために、ライフサイクル管理に取り組もうとしています。

具体的には契約のドラフト、新規の作成から、締結、契約期間が満了して、さらにその後も当社の場合には契約期間満了後も10年間契約を保管しておくことになっていますが、10年間が経過して、最後に廃棄するまで、このライフサイクル全体をカバーできるような仕組みを目指しています。LegalTechを使って全体を見えるようにしつつ、そのことによって全体がデジタル化されますので、そこからデータが取れるようになれば、そのデータをどう活用するのか、そういったことに取り組んでおります。

門永
門永

法務だけでなく、事業部門も含めて関係者全員で取り組む必要がありそうですね。この取組みを進める中で、一番苦労された点、あるいは今も苦労されている点があればお聞かせいただけますか。

 

鈴木
鈴木

部署をまたぐので、法務だけの理屈ではなかなか進めにくいというのと、この取組みそのもののベネフィットを受けるのが必ずしも法務ではないということのコンセンサス形成ですね。この取組みによって、契約を結びたいとなってから実際に締結するまでのプロセスが円滑化されてスピードが速くなりますが、そうやって契約がスムーズに結べるようになって一番ベネフィットを受けるのは実はその契約を担当している営業の部署であり、法務の便益のためにやっているわけではないということをどう理解してもらえるのか。あるいは会社全体の取組みとしていくとすると、経営層まで含めて全員がベネフィット、メリットを感じながら進めないといけないので、そういったコンセンサスの醸成が一番の課題というか、難しさを感じています。

 

門永
門永

ありがとうございます。今お話のあった「全体のコンセンサスを取りに行く」という点について、能勢さんの会社のようにLegal Operationsをリードする、個別の部門やメンバーがいない場合にはコンセンサスを取りに行くことがより難しいのではないかとも思いますが、いかがでしょうか。

能勢
能勢

当社でもCLMのシステム導入を進めていまして、これ自体は以前から計画はあったのですが、部署間調整に時間がかかっていた現状がありました。それが進んだのは、法務部長の声がけとチーム編成がきっかけでして、それから一気に前進し始めました。部署間調整は必要ですが、なかなか横の関係だけで調整するのは困難でもあり、トップダウンが有効だということを実感しました。

門永
門永

ありがとうございます。では、御社が今直面している課題についてはいかがでしょうか。

能勢
能勢

奇しくも当社もCLMの話なのですが、当社のビジネスではたとえば、日本で作ったものを中国に売ってそれが米国のお客さんに売られるようなケースがあったりして、契約の影響範囲は日本だけで完結しません。そしてCLMをグローバルで展開する際の課題は、一つ目はデータ移転の規制が厳しくなってきているので、データを共有することが難しくなってきているということと、二つ目は、そうでなくても国によって業務フローが異なるので、それを統合していくことが非常に困難であることです。統合しようとすると難易度が高まりますが、自社が求めるものを全て満たしてくれるようなSaaSはないので、現時点では優先順位付けをしながら要件定義を行っている状況です。

 

宮田
宮田

能勢さんに質問ですが、CLMは海外の会社も皆同じプラットフォームを使おうとしているところですか。

能勢
能勢

あまり詳しくは申し上げられませんが、そこは苦労しています。

宮田
宮田

当社も海外のグループ子会社がありますので、グループ会社の中でCLMを推進するときに必ず直面する問題だと思いながら聞いていました。まずはソフトウェアのインターフェース上の問題がありますよね。基本的には英語が望ましいですが、日本の会社の人が必ずしも英語が使えるわけではありません。加えて、同じソフトウェアを他の会社と共有したときに、そのプラットフォームの管理をどの会社が担当するのかという問題も発生します。子会社ごとに管理を任せすぎると、入力データの統一が図れません。一方で日々のメンテナンスを進めるためにはそれぞれの会社に担当者が必要です。つまずくポイントは多いですよね。しかしながらこういった点を詰めていくと、他の関係会社との間で同じデータを皆で見て、一緒に議論ができるという、理想的な方向に近づくのではないかと思っています。ぜひ頑張っていただきたいなと思いました。

門永
門永

各拠点での業務フローの統合というトピックに関して、少し違う観点ですが、御社はヤフー株式会社との組織再編に向けてやはり業務フローの統合という課題があるのではないかと思うのですが、そのあたりは齋藤さん、いかがでしょうか。

 

齋藤
齋藤

組織再編は10月を予定しているので、これからどこまで広がるかわからないのですが、今まさに業務フローのすり合わせを行っているところです。どのような業務をどういう業務フローで行っているのか、それはまたなぜそういう業務フローになったのかといったことを、法務以外も含めた全部の部署で意見交換しています。これは業務フローを見つめ直す良い機会でもあって、お互いの良い点、悪い点が浮き彫りになります。しかしどうしても法務だけでは決められないこともあり、たとえば財務のこのシステムにこの部分の業務が依存してしまうので、それに影響を受けて法務もこうならざるを得ない、といった話もあります。やはり法務の話は他部門と繋がっているということを今非常に実感しているところです。

 

(下につづく)

 

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