Legal Operationsの実践(22)
企業の法務部門と法律事務所の関係
―Vendor Managementを越えて―
株式会社LegalOn Technologies
吹 野 加 奈
1 はじめに
本連載第22回となる本稿では、企業の法務部門と法律事務所[1]の関係について、CLOCのCore12の考え方を整理したうえで筆者の見解をご紹介したい。
なお、本稿は、筆者の所属組織を代表するものではなく、筆者個人の意見や解釈に基づくものであることをあらかじめ申し添えておく。
2 CLOCにおける企業の法務部門と法律事務所の関係とは
Legal Operationsに関する米国の歴史をさかのぼると、本連載第1回にて既出のとおり、法律事務所との関係という観点においては、Legal Operationsは、法律事務所に支払う費用を削減するということをひとつの目的として端を発したという経緯がある。同記事に既出のとおり、米国企業において法務関連費用の支出が多大であったことが背景としてある。
⑴ Core12における「Firm and Vendor Management」について
CLOCのCore12(詳細は本連載第2回)においては、法律事務所との関係については、直接的には、3つめのコアである「Firm and Vendor Management」(詳細は本連載第5回)に示されている。「Firm and Vendor Management」という文言から推測できるように、このコアは、法律事務所(Firm)以外の法的サービスの提供者(Vendor)も対象になっている。昨今活用が広がっているリーガルテックベンダーとの関係性も、まさにこのコアに含まれることになる。つまり、法務部門が「Management」してコスト管理しなければならない対象として、法律事務所とリーガルテック等のベンダーが同じ枠組みの中で考えられている。
このコアでは、従来の課題として、異なる法律事務所同士を十分に比較検討せず、伝統的な「価格(Pricing)」と「人員配置モデル(Staffing models)」をデフォルトで採用していたことがあげられている[2]。すなわち、法律事務所に対して、適切な価格交渉をせず、起用される弁護士の人数や稼働時間について何ら管理をしていない状態を危惧しているものと考えられる。これは、裏を返せば、法務部門は、法律事務所同士を十分に比較したうえで選定しなければならず、その際には価格交渉と人員配置について攻めの姿勢で意見することが求められているといえる。
⑵ その他のコアとの関係性について
もっとも、法律事務所の報酬やパフォーマンスを法務部門におけるナレッジとして蓄積し活用するという側面においては、間接的には、「Knowledge Management」(5つめのコア)が、このようなナレッジをデータとして活用するのであれば、「Business Intelligence」(1つ目のコア)が関係してくる。また、法律事務所に支払う法務予算の管理という側面からは、本連載第4回でも言及されているように、「Financial Management」(2つ目のコア)も関係する。
また、どのような業務を法務部門に所属するチームメンバーが担い、どのような業務をアウトソースするか、つまり法務部門における人的リソースの配分の問題と考えれば、「Organization Optimization and Health」(6つ目のコア)や「Service Delivery Models」(9つ目のコア)も関係してくる。
さらに、法律事務所を利用する場面における業務フローの設計という観点からは、「Practice Operations」(7つ目のコア)が、法律事務所の外部弁護士をプロジェクトにアサインする場合は「Project/Program Management」(8つ目のコア)が関係する。
このように法律事務所との関係性という一見ひとつの論点にみえるような事項であっても、Core12のフレームワークを用いれば複数の角度から検討することができる。
⑶ データから見る米国における課題意識
米国においては、多くの企業の法務部門が「社外弁護士コストの管理」を最も優先度の高い事項と位置付けている[3]。また、CLOCの調査よると、アンケートに回答した200社のうち、法律事務所のパフォーマンス評価を決められた書式に従って実施しているのが27%にすぎず、47%もの企業がそのような評価を実施することを希望しているという[4]。
このことから、法務部門において法律事務所を利用する際のコスト管理とパフォーマンス評価への関心の高さと具体的な施策を講じることの難しさが伺える。
3 日本における企業の法務部門と法律事務所の関係構築の現状
日本においては、日本版リーガルオペレーションズ研究会が、日本版リーガルオペレーションズの検討を進めた結果、8つのコアを策定した[5]。このコアの中で、企業の法務部門と法律事務所の関係構築のためのモデルとして参考になるのが「外部リソースの活用」である。このコアでは、外部リソースの活用のゴールを、「外部弁護士・ベンダーの最適な選定と活用」と位置づけ、外部弁護士の管理を開始した段階、外部弁護士を評価している段階、外部弁護士との関係性構築と活用の段階という3つのレベルに応じた具体的な施策を提示している。
なお、日本においては、多くの企業が、法律事務所との間で事務所単位で顧問契約を締結し、特定の弁護士に案件を相談している[6]。顧問契約を締結した法律事務所に対しては、取引先とのトラブル発生時の相談、社内トラブル発生時の相談、契約書レビュー等の業務を依頼することが多く、顧問契約の期間は5年以上の長期にわたっていることが多い[7]。
「顧問先」を設けておくことのメリットは、依頼先である企業と長期的な関係性を構築しているからこそ、当該企業のビジネスや文化をよく理解し迅速に対応してもらえるという点がある。しかしながら、多くの企業では、顧問契約の有無にかかわらず、顧問契約を締結していない社外弁護士・法律事務所に依頼している[8]。理由としては、特定の事案において高度な専門知識を要することがあげられる[9]。
4 「Management」を越えた関係性の提案と問題提起
⑴ 「イコールパートナー」としての関係性の構築へ
既出のとおり、CLOCでは、企業の法務部門と法律事務所の関係性を強化することを目的として、コアを「Firm and Vendor Management」という用語で表現している。ここで、「Management」という用語に着目すると、日本でも「上司が部下をマネジメントする」というような文脈で使われていることから分かるように、上下関係のある当事者間において上の者が下の者を管理するという意味合いが強いように感じる。このコアでは、あるべき姿として「長期的な法律事務所やベンダーとの関係を構築、維持、強化する」と掲げられているものの、その力関係は、企業の法務部門が圧倒的に強い状態であることを理想として描いてはいないだろうか。
もちろん、CLOCのコアの中で課題としてあげられているとおり、合理的な理由なく伝統的な価格設定を用いているのであれば見直すべきである。また、今まで、いわゆる「顧問弁護士」に依頼した実績しかないのであれば、改めて「顧問弁護士」の専門領域は当該案件をカバーするものであるかを確認してもよいであろう(確認事項については、下記⑶ご参照)。
しかしながら、日本においては、米国で生まれたモデルをそのまま採用することには疑問が残る。なぜなら、本連載第1回でも触れられているとおり、米国企業において法務関連費用の支出が多大であることから上記コアが生まれたという経緯は、米国ほどの膨大な法務関連費用の支出がない日本にそのままあてはまるものではないからである[10]。
では、日本において、企業の法務部門と法律事務所はどのような関係を構築するべきか。
筆者は、企業の法務部門にとって法律事務所は、「Management」の対象となることを越えて、企業のビジネス目標を共に目指す対等な当事者である「イコールパートナー」となるのがあるべき姿であると考える。なお、日本においては、弁護士の独立性が弁護士の根本的な価値(コア・バリュー)とされており(弁護士職務基本規程第20条)、プロフェッショナルとして依頼者に隷属することなく、誠実かつ忠実に職務をまっとうする限り裁量をもって業務を遂行できる存在と位置付けられていることも、日本においては弁護士との関係において「Management」という概念が適さないことを示しているといえよう。
また、「イコールパートナー」という関係性の構築は、顧問弁護士に対して長期的なスパンで案件を依頼しているという日本の実態と親和性の高い考え方である。企業のビジネス目標が継続的に法律事務所と共有されることで、法律事務所が企業についてより理解を深めることに繋がり、結果的にビジネス目標を共に目指す関係性を築くことが可能になりやすいからである。
(2)関係性構築のための具体的施策について
もちろん、本稿は、顧問弁護士という方法を推奨しているわけではない。法律事務所といかなる契約関係を構築するかは、結局のところその企業における案件の性質や量に応じるものと考える。そのため、顧問弁護士ではなく、専門領域に応じて、依頼する弁護士を使い分けるという方法でもよいであろう。その場合であっても、一度依頼した弁護士について、法務部門として高く評価できると判断した場合は、別の案件が発生したときに再度その弁護士に依頼できるよう、データを蓄積する仕組みづくりをするとよいだろう。
その前提として、日本版リーガルオペレーションズの「外部リソースの活用」のレベル2にも示されているように、法務部門において法律事務所の選定の決定権があるのかという点が重要である。これにより、過去にどの法律事務所を起用したか否かといった情報が法務部門に集約されることになり、法務部門は、その情報をもとに今後の発注先を選定することができる。なお、特定の専門領域については、事業部門が法律事務所の発注主体となることはあり得るだろう。たとえば、債権回収業務については、経理部や審査部が直接発注主体となることが考えられる。その場合も、関連する案件が発生したときに、迅速にコミュニケーションをとることが可能となるように、法務部門において法律事務所を選定ないし管理しておくことが望ましい。
次に、類似案件や同一の専門領域が必要とされる案件については、特定の法律事務所を選定先候補として管理できるように法律事務所の一覧表を作成しておくとよい。なぜなら、類似案件については、同一法律事務所に依頼することにより、過去の依頼を踏まえたコミュニケーションをとることができ、経緯や過去案件に関する情報を共有するためのコミュニケーションの手間が削減できるからである。また、高度な専門知識が必要とされる案件については、当然のことながら法務部門として質の高いアウトプットを得ることができるというメリットがある。さらに、通常、法律事務所の費用は、タイムチャージ制であることから、結果的に、類似案件や得意領域については法律事務所が対応に要する時間も比較的に短くなることが想定されるため、コストも抑えられるという効果も期待し得る。
たとえば、筆者の所属先企業では、定期的に発生する一般的法律相談は顧問契約、それ以外の専門領域の法律相談については単発の契約という棲み分けを採用している。単発の契約については弁護士リストというものを作成し、弁護士の氏名・当該弁護士の専門領域を記載しておき、依頼した実績については別途一覧表にして管理している。単発の契約であっても、基本的には依頼実績のある弁護士に依頼することが多く、依頼を積み重ねることで、当社のビジネスに対して理解を深めていただくことができるというメリットがあるように感じる。また、法務部門内のメンバーが変わったとしても、法務部門が組織として特定の弁護士と長期的な関係性を築くことができるという組織運営上の安定性も確保できる。
さらに、関係性の構築のために、コミュニケーション手段を見直してもよい。たとえば、従来、法律事務所とのコミュニケーションツールとしては、メールを用いることが多かったが、最近では、SlackやChatwork等のビジネスチャットを活用している例もあるようである[11]。また、面談方法についても、法律事務所への訪問だけでなく、ウェブ会議や電話会議などの非対面の面談方法を用いることで定期的にコミュニケーションをとることが可能となる[12]。さらに、コミュニケーションツールとしてLegalTechを活用するという事例もある。筆者は、LegalTechを提供する企業に所属しているが、LegalTechを法律事務所とのコミュニケーションツールとして利用しているという事例がある。具体的には、企業の法務部門が利用しているLegalTechのアカウントを法律事務所にも発行し、当該システム上で法律事務所に対して契約書審査の依頼をし、法律事務所が審査を実施し、契約書を修正した場合は、修正後の契約書を受け取ることまでをシステム上で実施している。
⑶ 関係性構築の先にある課題について
そして、「イコールパートナー」という関係性を目指すうえで課題になるのは、企業の法務部門が、「イコールパートナー」である法律事務所からいかに最大限の力を引き出すことができるかという点である。そのためのアプローチとして、コアが示すあるべき状態へ到達するためのアクション(詳細は本連載第5回)や日本版リーガルオペレーションズの「外部リソースの活用」に示された標準的な取組みが参考になる。
まずは、法律事務所の選定基準が明確に示されているかといった点を検討していく。たとえば、依頼範囲の設定が重要とされるM&A案件や依頼時に明確なアウトプットを予測しにくい施策型のプロジェクト案件(たとえば、依頼企業の個人情報保護対策に関するプロジェクト等)については、RFP (Request For Proposal、提案依頼書)を用いる方法が考えられる。RFPとは、通常、システム開発において、ユーザーが複数のベンダーに対して開発内容の提案と見積りを依頼するときに作成するものであるが、法務部門において法律事務所を選定する際にも、RFPを提示することがある。RFPには、会社とサービスの情報、案件の目的、法務戦略といった前提情報とあわせて、選定先の各法律事務所への要求事項や質問事項が記載される。流れとしては、企業の法務部門でRFPを提示すると、これに対して、各法律事務所が提案書を作成して提出し、法務部門が各提案書に対する評価を実施して法律事務所を選定することとなる。そのため、RFPを作成する意義は、この一連の流れを踏まえることで、法務部門が、合理的な根拠なく法律事務所を選定するのではなく、自社のニーズを整理したうえで明確な基準を用いて評価・選定することが可能となるという点にある。案件終了時に起用した法律事務所や弁護士のパフォーマンスを評価するプロセスを設けておけば、RFPと提案書の評価のプロセスで想定したとおりのパフォーマンスが発揮されたのか、RFPのプロセスに改善の余地はないかを検証することができる。なお、CLOCでは、会員に対して、RFPに関するガイド[13]と7種類のRFPのひな形[14]を提供しており参考になる。
RFPを作成しない案件については、依頼前に、法務部門において、たとえば、以下の事項を確認したうえで依頼するとよい。
- 当該弁護士が過去に類似案件を担当した経験があるか
- ChambersやLegal 500といった第三者の弁護士評価機関において、当該分野の評価を得ているかどうか
- 当該弁護士が当該専門領域に関する研究会などに所属しているか
- 論稿や書籍などを執筆しているか、セミナーを開催したことがあるか
そして、依頼する場合には、委任契約(Engagement Letter)において当該案件における依頼事項を明確化するとともに、必ず、法務部門が案件を担当する法律事務所の弁護士との間で、直接コミュニケーションをとり、当該案件の背景、当該案件の重要度や優先度などの温度感を伝えることが重要である。案件によっては、企業の取締役や法務部門以外の部門責任者を同席させ、その重要度や詳細を外部弁護士に対して共有してもらうのも効果的である。
最後に、案件終了後、当該弁護士のパフォーマンスを振り返り、評価を記録することが理想である。とくに、初めて起用した法律事務所については、今後も当該法律事務所に依頼するか否かを決定するうえで、パフォーマンスの振返りと評価が重要である。パフォーマンスの評価事項としては、各法務部門において重要であると思われる事項を設定するとよい。具体的には、品質、スピード感、料金、情報の有益性、コミュニケーションの円滑性等があげられる。
なお、「イコールパートナー」は必ずしもひとつの法律事務所である必要はなく、複数の法律事務所であってもよいし、見直してもよいであろう。特に、企業として重要な案件については、より高いパフォーマンスを発揮できると思われる法律事務所を発掘するためにも、発注前に複数の見積もりの取得を行うことも考えられる。あるいは、予算がある場合は、複数の法律事務所に同時に依頼することもありうる。
5 おわりに
現代の企業の法務部門を取り巻く状況は、コンプライアンス意識の高まり、グローバル化に加えて、将来の予測が困難なVUCA(変動制、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代ともいわれており、法務部門が抱える案件はますます高度かつ複雑になり、スピード感をもって、企業が適切な経営判断を行うことができるよう方向性を示したり、法的リスクから保護したりすることが求められる。ときには、企業が目指すビジネスの実現に向けて、法令を時代に即した内容に変更するために政府に働きかけるといったこともあるだろう。
そのためには、法務部門に所属する個々の担当者の知識やスキルでは限界があるのは自明のことであり、様々な領域の高度な専門知識を結集して案件を前に進めていくことが必要である。つまり、法律事務所の活用なくしては、案件を前に進めることが困難であり、法律事務所をいかに活用するかが法務担当者の腕の見せ所のひとつともいえよう。
そのために、本稿では、法律事務所との関係性を構築することを提案した。もっとも、関係性の構築がゴールではない。関係性を構築したうえで、適切に法律事務所を活用することができるよう、その先に待ち受ける課題としては、法律事務所のパフォーマンスをさらに向上させるための取組み、コスト削減、新たな法律事務所の開拓方法などの検討の必要性があるものと考えている。
なお、筆者は、LegalTech企業の法務部門に所属しており、LegalTechの提供者(Vendor)として法務部門に「活用される立場」でもあり、法務部門として法律事務所やその他の法的サービスを「活用する立場」でもある。本稿では、主に、法務部門と法律事務所(Firm)との関係性について取り上げたものの、その他の法的サービスの提供者(Vendor)との関係性についても同様に考えられるのかを今後もさらに検討していきたい。
以 上
[1] 法律事務所ではなく、外部弁護士個人に発注するケースも想定し得る。このようなケースについては、本稿の「法律事務所」を「外部弁護士」と読み替えていただきたい。
[2] https://cloc.org/what-is-legal-operations/
[3]Thomson Reutersの2022年度版法務部門オペレーションインデックス(https://www.thomsonreuters.co.jp/ja/legal/legal-resource/2022-legal-department-operations-index.html)では、法務部門の優先課題について、全体の85%の法務部門が「社外弁護士コストの管理」と回答している。また、Deloitteがジェネラルカウンセルを対象に調査した“2021 State of Legal Operations Survey”(https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/us/Images/Misc/infographic/us-state-of-legal-operations-infographic.pdf)によると、Core12のうち「Firm and Vendor Management」が最も優先度が高い事項としてあげられている。
[4] 2021 State of the Industry Report(https://cloc.org/2021-state-of-industry-survey/)
[5] 日本版リーガルオペレーションズ研究会(https://wp.shojihomu.co.jp/jlos)は、「米国中心に語られてきたLegal Operationsの議論を参考にしつつも、日本の現状に沿うような日本版Legal Operationsの在り方・成長モデルを検討するために集まった」団体であり、日本版Legal Operationsとして八つのコアを策定した。詳細については、NBL1191号または「日本版Legal Operations CORE 8 EVENT Report」(https://wp.shojihomu.co.jp/jlo_core8event#7)をご覧いただきたい。
[6] 株式会社LegalOn Technologiesが2021年7月に実施したレポート「調査レポート 顧問弁護士活用の実態とニーズ」(https://legalforce-cloud.com/download/13)によると、回答者のうち約9割の所属企業が弁護士と顧問契約を締結している。また、米田憲一編・経営法友会法務部門実態調査検討委員会著『会社法務部〔第12次〕実態調査の分析報告』(商事法務、2022)262頁によると、8割近くの企業が法律事務所と顧問契約を締結している。
[7] 上記レポート(https://legalforce-cloud.com/download/13)のデータに基づく。
[8] 米田編・経営法友会法務部門実態調査検討委員会著・前掲[6] 280頁では、68.7%の企業が顧問契約を締結していない社外弁護士に依頼したことがあるようである。
[9] 米田編・経営法友会法務部門実態調査検討委員会著・前掲[6] 282頁
[10] もっとも、米田編・経営法友会法務部門実態調査検討委員会著・前掲[6] からも明らかなように、日本国内において法律事務所に支払う費用は増加傾向にはある。そのため、今後、企業における法務関連費用のインパクトが大きくなるようであれば、米国での議論があてはまることも考えられなくはないであろう。
[11] 上述の「調査レポート 顧問弁護士活用の実態とニーズ」(https://legalforce-cloud.com/download/13)の17頁を参照。
[12] 上述の「調査レポート 顧問弁護士活用の実態とニーズ」(https://legalforce-cloud.com/download/13)の18頁によると、顧問弁護士との面談方法について「事務所への訪問」が最も多いが、ウェブ会議や電話会議などの非対面での面談方法も積極的に活用されている。
[13] https://community.cloc.org/viewdocument/request-for-proposal-panel-selecti
[14] https://community.cloc.org/viewdocument/cloc-request-for-proposal-templates
(ふきの・かな)
株式会社LegalOn Technologies(旧:株式会社LegalForce)弁護士、シニアマネージャー。2019年に同社に入社し、法務開発の責任者を経て、2021年同社の法務部門の立ち上げ責任者となる。現在、同部門において、契約書審査、新規ビジネスの法務相談、海外子会社サポート等の法務業務を担っている。日本組織内弁護士協会リーガルオペレーションズ・テクノロジー研究会、日本版リーガルオペレーションズ研究会、CLOC Japan、及びAI法研究会に所属。